臍ヘルニア(さいへるにあ)
臍ヘルニアとは
臍ヘルニアとは、「でべそ」とも呼ばれる状態で、おへそが膨らんで見えます。皮膚の下に腸管などの臓器が飛び出しているためであり、触ると柔らかいです。お腹に力を入れないで寝ているときは引っ込みますが、泣いたり、立ち上がったりするとおへそが膨らんできます。
原因
赤ちゃんは、お腹の中にいるときにへその緒を通じてお母さんから栄養をもらっています。生まれたあと、へその緒が取れて、おへそが自然に閉じるのですが、閉じきらずにすき間が残ると、そこから腸などが飛び出してしまい、臍ヘルニアになります。
好発年齢
生まれてすぐから見られることが多く、特に生後1〜2か月ころによく気づかれます。未熟児や体重の少ない赤ちゃんに多い傾向があります。
症状
- おへそがふくらんでいる
- 泣いたりいきんだりすると、ふくらみが大きくなる
- 触ると柔らかく、押すと中に戻ることが多いです
- 通常は痛みもなく、赤ちゃんの機嫌も良いことが多いです
検査・診断
視診・触診にて診断します
治療
臍部圧迫療法
1歳までに約90%、3歳までに約95%のお子さんでヘルニアの穴は閉じると言われていますが、それまでおへその膨らみを放置していると、せっかくヘルニアの穴が閉じても、おへその皮膚が伸びてしまいダルダルの皮膚が残ってしまいます。後述する臍形成術を行う際も、皮膚が伸びていない方がより綺麗に臍を作ることができるため、おへその膨らみは放置しないほうがよいです。
そこで、ヘルニアの穴が閉じるまでの期間、おへそに綿球とテープを当てておへそが膨らまないようにします。泣いたり、立ち上がったりしてもおへそが膨らまない状態を続ければ、おへその皮膚が伸びてしまうのを抑えることができます。ヘルニアの穴が閉じた後、皮膚が伸びていなければ、手術(臍形成術)を行わなくても綺麗なおへそとなります。
手術(臍ヘルニア根治術)
臍部圧迫療法を継続するもヘルニアの穴が閉じない場合は、手術にてヘルニアの穴を閉じる必要があります。全身麻酔下に臍の皮膚を切開すると、腹筋と腹筋のすき間(ヘルニアの穴)があるので、針と糸を用いて穴を閉じてきます。皮膚を縫合する際、皮膚が伸びている場合は余っている皮膚を切除し、綺麗なおへそを形成します(臍形成術)。
手術(臍形成術)
臍部圧迫療法を施行しヘルニアの穴が閉じても、おへその皮膚が伸びてしまった場合は、希望に応じて臍形成術を行います。伸びて余っている皮膚を切除し、綺麗なおへそを形成します。
手術を要する場合、提携病院へご紹介いたします。
ご本人・ご家族の方へ
乳児健診等で臍ヘルニアを指摘されましたら、医療機関を受診してください
院長の一言
極めて稀ではありますが、小児臍ヘルニア嵌頓の症例報告があります。ヘルニアの穴が狭いのに、無理やり腸管が出てきてしまうと穴のところで首が絞められてしまい、腸管の血流が途絶えるという緊急手術を要する疾患です。臍ヘルニアで臍部圧迫療法中に、嵌頓症状(おへその膨らみが固い、痛くて大泣き)が出現した場合は、速やかに医療機関を受診してください。
矢内ら.小児臍ヘルニア嵌頓の1例.日小外会誌.49: 1229-1233, 2013.
提携病院
東京女子医科大学八千代医療センター 小児外科

