精巣捻転(せいそうねんてん)
精巣捻転とは
精巣捻転とは、男性の精巣(睾丸)が陰嚢の中でねじれてしまう病気です。このねじれによって、精巣へ血液が届かなくなり、放っておくと精巣が壊死してしまう可能性があるため、緊急で治療が必要な病気です。
原因
- 生まれつき精巣の位置が不安定(陰嚢内の固定が不十分)
- 夜間から明け方の睡眠中に急激に発症することが多い
好発年齢
乳児期と10代の思春期によく見られます。
特に精巣容積が急速に増大する中学生から高校生くらいの年齢で多く発症します。
症状
- 陰嚢の突然の強い痛み
- 陰嚢の腫れ・赤み
- 精巣が通常より高い位置にある
- 吐き気・嘔吐・腹痛
※精巣の病気なのにお腹が痛い?
精巣はもともとお腹の中にありましたが、涼しいところを求めて徐々に移動し陰嚢内に収まっています。この際、痛みを感じる神経も精巣と同じくお腹から陰嚢内に降りてきているため、「精巣の痛み」を「お腹の痛み」やひどくなると「吐き気」として感じてしまうようです。男の子であれば一度は経験あるのではないでしょうか?
検査・診断
- 視診・触診にて精巣の位置と大きさを確認
- 超音波検査で精巣血流の有無を確認
治療
用手的整復
精巣がねじれてから6時間以内に元に戻せば精巣を残せる可能性が高くなります。ねじれている精巣を足から見て時計回りに回転させ、ねじれの解消を試みます。痛みが強くなる、明らかな抵抗がある場合には整復を中止します。ねじれの解消に成功した場合、速やかに陰嚢痛は改善し、超音波検査を再び行うと精巣に血流が戻っていることが確認できます。用手的整復が成功すれば緊急手術は回避可能ですが、精巣捻転が再発する可能性が高いため、翌日以降に待機的手術を要します。反対側の精巣も将来ねじれる可能性があるため、基本的には両側精巣固定術を要します。
手術
用手的整復が困難である場合、精巣がねじれてから6時間以上経過している場合などは緊急手術を施行します。陰嚢の皮膚を切開後、直接精巣を露出させてねじれを解消し、精巣が再びねじれないように陰嚢内に固定します。反対側の精巣も将来ねじれる可能性があるため、基本的には両側精巣固定術を要します。
精巣を露出した際に、精巣が真っ黒に壊死している場合は、残念ながら精巣を切除しなければなりません。妊孕性を温存する(将来、子どもを授かる可能性を残す)ために、反対側の精巣を陰嚢内に固定し、ねじれるリスクを無くします。
ご本人・ご家族の方へ
お子さんが急激な陰嚢の痛み・腹痛を訴えたら、すぐに医療機関を受診してください
院長の一言
腹痛・嘔吐の症状で小児科を受診した10代の男の子が、胃腸炎でしょ~と帰されましたが、後日精巣捻転だったことが判明し精巣を摘出しなければならなかった、という症例をたまに聞きます。特に小児は陰嚢痛より下腹部痛をメインで訴える印象があります。小児の下腹部痛に対し陰嚢を観察しなかったばかりに精巣が1つになってしまうのは絶対に避けなければなりません。手術を要する場合、速やかに提携病院へご紹介いたします。
提携病院
東京女子医科大学八千代医療センター 小児外科

